人生一度きり

発達障害の子を持つ母としての経験談。自分の鬱、適応障害の体験談。その他日常で思ったことなど。1ミリでも前向きに生きてます。

お一人様でツアーに3回参加したわけ

旅行に行く理由として、大きく分けて二つあるのではないかと思う。

一つは、例えば友人や家族など親しい人と一緒だから行くという、誰かとどこかに行って同じ時間を共有したいというものと、もう一つは、ある景色や何かどうしても見てみたい、もしくはどこかへ行って何かを体験したいといった目的があるものだ。

 

私はできれば誰かと一緒に行きたい所に行って、親しい人とその旅を共有できるのが一番望ましく思っているが、大人になるとなかなかそうもいかないのが現状だ。

 

自分を振り返るともともと、一人だからという理由で目的を諦めるのは嫌だった。学生の頃から映画やコンサート、お芝居など一人で出かけた。一人旅も思い立ってしたこともある。20歳そこそこのうら若き乙女が一人ラーメン屋さんに入って、「一人?」と店員さんに驚かれこともある。

 

しかし、繰り返しにもなるが決して一人が大好きというわけではない。よく言えば、一人でも十分に楽しめるということだ。

そんなわけで、比較的安くどうしても行ってみたいと思ったのでお一人様でもツアーに申し込んだのである。

 

私はこれまでに3回ツアーにお一人様で参加したことがある。

 

初めてのお一人様ツアー参加は、約10年前の『夜行バスで行く正倉院展京都御所巡りの旅 車中泊1泊2日』、2回目は7年前に行った『アンコールワットほか遺跡巡り 3泊5日』、直近では『LCCで行く佐賀巡り、吉野ヶ里遺跡祐徳稲荷神社など 1泊2日』である。タイトル名は正式ではないが、大体こんな感じだったと思う。どれも格安旅行であった。なのでなおさら行きたい思いが強まる。

 

参加当日は、毎回10%の緊張感と90%のワクワク感がある。一応少しは緊張している。

初めて参加した時は、誰かと仲良くなって旅の間のほとんどを一緒に過ごすなんて想像していなかった。

たまたま私の他に一人だけ女性の『お一人様』がいて、バスの席の関係でたまたま隣になりそれからが始まりだった。

 

しかし、お一人様は最初のお食事の時に一瞬焦る。なぜなら、テーブルでみんなで食べるので同伴者がいないため、テーブルを前にした時に、みんなに囲まれながら一人孤立して食事をしなければいけないのかと一瞬焦るのである。

でも、そんな心配は本当に一瞬で終わる。それは、その時までにお一人様同士で確認し合い少しでも言葉を交わしているので、自然とお一人様同士が集まることになるからだ。

 

私の場合は、お一人様を見つけて自分から話しかけていたのでそれが良かったのだと思うが、もし、最初の食事までに誰とも話さなかったとしても、ツアーの中でお一人様は確実に分かるので、誰かが声をかけてくれるかもしれない。

 

一度打ち解けてしまうと、お一人様はお互い同じ目的があって来ているので、観光先のことで話が盛り上がるし、初対面と言うこともあって新鮮でいろいろと会話が弾むのだ。

そして、もし自分の友達や家族と来ていたら、他の人に話しかけたりかけられたりすることもあまりないと思うのだが、お一人様だと周りの人とコミュニケーションを取ろうとするので、一緒のツアーの人とも少しではあるが会話を楽しんだりできることにも気づかされた。

 

夜行バスで車中泊1泊2日だったので行きに一睡も寝れなかった私は、体力的に大変ではあったが、もう一人お一人様いてくれたおかげで、そして一緒に楽しく過ごすことができ、想像以上に楽しい旅となった。

 

その3年後、カンボジアに直行で行く格安のツアーの広告が新聞に載っていたのを見つけ、この価格でアンコールワットへ行けるなら行ってみたいと思い申し込んだ。格安でもお一人様の場合は割高になってしまうのだが、それでもいいと思った。数少ない友人たちは皆子育ての真っ只中にあったので誘うという発想はなかった。

 

この時のアンコールワットの旅の参加人数は、バス4、5台分で150人から200人ぐらいのうちお一人様は同じバスに集められていて、中年から年配の女性が五、六人いたと思う。

 

私は、そのうちの一人と話すようになり話もはずんでバスの中や食事や観光の時も一緒に過ごした。次第に、お一人様のメンバーでなんとなく固まり、まるで前からの知り合いだったかのように盛り上がるのだ。

みんな女性で30代から80代まで年齢は様々である。しかし、年齢は関係なかった。

3泊5日を共に過ごしたのだが、子供の時のバス遠足のようにワクワク感しながら毎日を過ごし、みんなはしゃいでいた。お一人様グループはちょっと浮いていたかもしれないぐらいに。

そして、時々は他の人たちとも会話がはずはずむこともあった。

カンボジアの暑さは体に相当こたえたが、みんなのおかげでとにかく楽しい旅となった。

 

そして最後となる3回目の佐賀の時は、バス一台分で30人前後うち私を含めてお一人様3名だった。

 

飛行機で佐賀に到着するとすぐ、バスで吉野ヶ里遺跡に向かった。どういう経緯でその3人が仲良くなったのかも忘れてしまったぐらいに、吉野ヶ里遺跡に着くと早速3人で見て回った。しかし、いい距離感を保ちながら。私たち3人ともここが一番の目的だった。そして、なんの前置きもなく「やっぱりこっちよね。」という誰かの一言は通じ合い、「そうよねー。」「私もそう思う。」などとすかさず返事をしていた。私たち3人は邪馬台国九州説でみんな一致していた。こんなやり取りが本当に楽しかった。

 

旅行中は、ずっとべったり一緒ということではなくそれぞれのペースを保ちつついい距離感を持って3人で楽しく過ごせた。

もちろんこの時も他のツアー客の人とも会話を楽しんだりもした。

そのうちのお一方が、生きていたら自分の母親と同い歳の方で、家がたまたま近かったので空港から最寄り駅まで一緒に帰ってきて、年賀状のやり取りまでしている。 

こうして、どの旅も本当に楽しかったし思い出深いものとなった。

 

このお一人様ツアー参加が、どうしてこんなにも楽しかったのだろう。

それは、例えば、共通の趣味などがあると、たとえ初対面でも急に距離が縮まるということがあると思う。まさにそれと同じ現象が起きるのだと思う。お一人様はどうしても見たかったものを見に来たという目的があるので、その『共通の目的意識』が強いもの同士だからこそすぐにうち解けられるのではないかと思う。

 

そうはいってもたまたま私の場合、人に恵まれたのかもしれない。まだ三回しか行ってないのでなんともわからない。

 

でも、もし迷っている人がいたなら、ちょっとの勇気があればきっと楽しめると思っているので、少しだけ勇気を出してぜひ行ってみることをお勧めしたい。

私自身も、またどこか行きたところが格安で行けたらお一人様で参加してみたいと思っている。